2003年1月某日  何事も知ってりゃ簡単知らなきゃ苦労・・・
              −アルファロメオ166 ICS脱着編−
何事もそうだが経験と言うのは大事だ。
整備関係で言うと経験がある車とない車では手間も気分もかなり違う・・
特に電気関係や内装の脱着などだと初めて&複雑なお車は手がかかる。
昔は電気関係なら配線追っていけば・・・内装なら順番にねじを外せばOKだったのだが
最近の車は電気関係は複雑、光通信やCPU間の多重通信のトラブル・・なんていったら
専門職でも経験もしくは資料が無いとさすがに無理だ。
内装関係も最近はハメ込みが多いので
基本的にはパカパカ外すだけなのだが
ツメやクリップの入り方、ロックの仕方を知らないと簡単にツメが割れたり
パネルが割れたりして
2度とつかなくなってしまうこともあるので要注意だ。
1度経験している車種なら3分でバラせる所を経験も資料も無い車の場合
探るところから始まるのでやたら時間がかかるのだ。

さて、今日のお話はアルファロメオ166へのナビ付けのお話。
いつものようにメールでお問いあわせが・・・内容はアルファロメオ166への
ナビとETCのご購入・取付依頼だ。アルファロメオは何車種か経験はあるが
166は初めてだ。で、メールでお見積もりを書く前にネットや資料で下調べ。
(これをしないで返信すると後からとんでもない事になる可能性がありますので・・)
ナビやETCの取付の場合、基本的にはステレオ裏から電源を取るので
ステレオの脱着が容易か?ナビの場合、車速が何処から取れるか?下調べのポイントだ。
んん??ネットで166を探すとセンターになにやらモニターが着いている・・・・
お客様(以下Y様とさせていただきます)からのメールにも記載あったが、
どうやら純正のCDナビモニターとエアコンやオーディオ、車両状態を表示するICSだ。

*参考
Y様から頂いた取付後の写真です
クリックすると大きくなります
まぁ、トヨタのEMVと同じようなものなのだが輸入車の場合、
この手の物を脱着したり、(車によってはバッテリーを
外しただけでも)警告等が点きっぱなしになったり、
盗難防止ロックがかかったりと厄介なことが多い・・・

と言うかそれ以前にこれ・・どうやって外すんだろう??
万が一、全ハメ込みだとしたら引っ張り出すには
相当の度胸がいる・・・(僕にはそんな度胸はない)

まぁ・・・おそらくシフト部のカバーからばらしていけば
良いのだろうが・・後は実際に拝見してから探るしかないな・・。

とはいえ、最終的にご依頼を受けたのは
YOUナビの取付とETCの取付。車速は資料より
メーター裏から取れることがわかっているので
後は+B、ACC電源線の確保だけだ。
無理にICSを外す必要はない。が・・Y様ご自身が
ICS裏からの車速情報をお持ちとの事&これを外せば
必要な電源は確実&楽に取れる・・・・・・・
そしてなにより・・・外してみた〜〜い!!!
で、実際にご依頼からお取付までに時間があったので
念のためディーラーさんに情報を貰おうかと思いY様に連絡すると
Y様、ご自身でもかなりメンテをする方のようですでに資料を取寄せ済みとのこと!
さっそくFAXでおくっていただき確認・・・・
フンフン・・なるほどなるほど・・・・こうやって外すのか・・・資料があれば簡単だ・・・。
けど・・・一番肝心なロックの外し方・・・イマイチ頂いた資料ではわかりづらい・・・
まぁ、後は実車で見てみればわかるだろう・・・・それにしても車速情報が
「ICSの裏の緑の線」だけとは・・・資料を見ただけでもICS裏にはいくつもコネクターが入っている。
おそらく「緑色の線」は似たようなのが何本かあるだろう・・・
ディーラーさんも、もうチョットわかりやすく書いてくれればいいのに・・・
ま、これはどうでもいいか・・

さていよいよ実際にお取付の日、Y様がお見えになる・・・予想通り、ご自身でメンテされる方で
モニターの設置はご自身でなされるとの事で工具箱お持込!それも中途半端な工具揃ではない。
なんとリューターまでお持ちである!(僕もめったに・・いや・・殆ど使わない)
何はともあれまずはICSの脱着だ。いただいた解説書通りに順調にバラしていく・・・・
が、最後の一番肝心なリテーナータブ(要するにロック)が見当たらない・・・・・
解説書には「ダッシュボードとICSの間にスクリュードライバーを突っ込みリテーナータブを解除する」
と書いてあり、リテーナータブのおおよその位置も書いてあるのだがどうにも曖昧な記載・・・
散々探すが・・・・これを発見しなければICSは外せない・・・
とりあえずここまでも時間がかかっていたので残念ながらもICS脱着を一度断念、
他の場所から電源を取ろうと内装を外してICS裏を覗いてみると・・・あれ・・??
このICSって見た目は派手だけど要は普通の輸入車2DINサイズのオーディオと同じ取付・・・
枠にはまっているだけだ・・と言うことはリテーナータブとは2DINオーディオのロックと同じ位置に・・
ああ・・・在った在った!!見ただけでは殆どわからない(特に右側は見えない)が
ドライバーを突っ込むと独特の感触がある!!しかし・・・これは本当に知らなきゃわかんない・・・
輸入車のオーディオの経験がなければ解説書だけでは厳しいかも・・


後は順調に・・と書きたいところだが・・・・やはりディーラーさんからの車速情報・・
僕の懸念は外れそれらしき「緑色の線」は1本しかなかった。が・・どう見ても経験上、
車速の線ぽくない・・・・(;一_一)・・・・Y様にも「怪しいけどとりあえず繋いで見ます?」と確認後
接続するが不安はぬぐえず、とりあえずICSを仮組状態でナビを繋いで走行テスト。
おおっ!!走ってないのにパルスがあがっていく!!!やっぱりハズレだ・・・
結局メーターの裏から取り直し・・・これでOK。

ちなみにやっぱり盗難防止ロックはかかったが
(バッテリーを外すorICSのコネクターを抜くとかかります)
よくある輸入車の物と同じで4桁の暗証番号を入力すればOK。
これ、3回入力間違いすると24時間の間、
何も受け付けなくなりますのでご自分でメンテする方はご注意を!!

まぁ、長々と書いたが今回のオチは題名そのまま・・・・(^^ゞ・・・・・
で、僕の修理日記はここまでなのだが、今回のアルファ166、この先の話がある。
と言うのも当社で作業したのはナビの電源線の確保とETC取付セットアップまで。
モニターの設置はY様がご自身で行うとのこと。

実はこのお車、通常モニターを設置するダッシュボードセンター部には
小物入れがあり本体設置するには工夫が必要だ。又、YOUナビはコンパクトな分、
モニター一体型の本体部に配線が集中し、見た目が美しくないという欠点がある。

Y様がどのように設置するのかとても興味があったので後日、取付終了後に
写真を送っていただくよう御願いしておいたところご報告いただきました。
上記欠点を見事にクリアーしとても綺麗についているのでY様の許可を得て
写真を掲載させていただきます。ちなみに普通の電装店ではここまではやらないでしょう・・・・(^^ゞ
写真はすべてクリックすると
新しいウインドウに
大きなサイズで表示されます。
ご覧になった後はプラウザの
「閉じる」(×)ボタンで
閉じてください。

        by闇烏
左上及び左
取付完成後。モニター(本体)は純正小物入れに
埋め込まれる形なのでノーマルの形を残しつつ
視界も良好、配線類の露出もなく見た目もとっても美しいです。

上真ん中
モニターを取付ける前の純正小物入部分。
以下は製作者のY様談です。

小物入れに切れ目を入れてバーナーで炙り、
運転席から見える角度まで曲げましたが、
バーナーの炎で小物入れに痘痕が出来てしまいましたので、
ドライヤーの熱で伸ばしながらカッティングシートで
表面をラミネートしました。
また、ナビの小物入れへのフィッティングは附属品のスタンドの
粘着金属板後ろ側を曲げて背面金具に附属品を加工して止めて
振動を抑制する形とし、粘着金属板残りの部分の
6箇所を裏側にアルミの当て板を追加してリベット止めしました。
Y様、ご協力ありがとうございましたm(__)m


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