2009年5月 カーナビ取付事例 その十一 先入観はイケマセン・・・・アルファRZ編 | ||
サイバー&パナナビの09年モデルが続々入荷し、取付に追われる5月後半、 この日入庫したのは以前ブログでご紹介させて頂いたアルファRZ。 ブログに記載の時はETCのお取付で「サイバーナビの新しいのが出たらナビをつけたいので・・・」って事で カロのETCをご購入・お取付依頼頂きました。 とは言え、この時には八王子移転が決まっていたので、 「八王子までは来て頂けないだろうな・・・・」と思っていたところ・・・・ 09サイバー発表後すぐにご予約頂き、この日の入庫となりました。 |
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ETC取付だけでもテンションがあがったのですから ナビ付けとなれば・・・更に僕の趣味心がうずきます。 と言うのも 一昔前まではナビ付けというと車速がどうのとか キットや資料が無いとかでチョット難しい車種だと そこらのカー用品店では嫌がる&請けてくれない・・ なんて話も多く、僕らのような電装屋は腕の見せ所・・・ だったのですが、最近ではナビも市民権を得て、 メーカーからの資料も多いし、 車自体も社外ナビを取り付けやすくなってるし・・・・ まして、資料が無い車でも、ちょっとネットで検索すれば たいていのことはわかってしまう時代。 腕の見せ所は少ないんです・・・(^_^;) |
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しか〜〜し!アルファRZとなれば話は別。何せ生産台数の少ない車。 ナビメーカーからの資料が無いのはモチロン、 販売経路(ディーラーさんや車両メーカー)からの資料入手も不可能。 ネットで検索してみるとナビの取付事例は某ショップで発見したけどそれだけ・・・ おまけに万が一「パキ」とか「ズリッ」とかやっちゃったら、部品が取れるかどうかも微妙。 まぁ、そんなへまはしないと思いますが、古い年式のお車だと ネジを緩めただけで「ポロッ」と内装がかけてしまうなんて事はありえる話なので・・・・ が、それだけに心地よい緊張の中、プロの技?を発揮できるというもの。 気を引き締めて作業開始! |
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まずは久々に車速信号を探す旅に出ます。 とは言え、これについてはETCお取付の際に このお車のメーターからはワイヤーケーブルは出ていない ことを確認済。 と言うことは普通の電気式メーターって事。 モチロン、近年の車だと多重通信(CANバス等)で 信号が取れない場合もありますが この年式ならどう見たって多重通信はして無いはず。 って事は必ずスピードメーター廻りから 車速信号は取れるのです。 メーターを外して確認すれば確実ですが リスクを抑える為、出来るだけ 余計な作業は避けたいところところ・・・ |
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で、メーター横のパネルだけ外し覗いてみると・・・・ いましたいました!バッチリです。 スピードメーターは単体型でそこから出ている線は数本。 これなら電装屋にとっては簡単です。 メーターへの配線の中身は電源・アース・イルミ・ パイロットランプ右・左・・・ これらは普通のテスターで簡単にわかります。 となれば残りの1本が車速。 とはいえ、こちらもプロですから? わざわざ全部にテスターをあてるなんて野暮はやらずに 長年の経験と電装屋のカンで”これだろう”と思う1本に パルスが測れるテスターをいれ、一発でゲット! これで唯一の懸念はクリア。後はひたすら取付けるのみ!! |
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お客様のご希望はナビ本体は極力床に置かないように (古い幌車なので雨漏りが心配)と 加工は極力避けたいとの2点だったのですが、 もともとナビ本体を置けるスペースと言えば グローブボックス下くらいしかなく、それも微妙な形状で ここに無加工で固定は難しい感じでした。 が、モチロン、話のネタにしている以上、 「こりゃ他の店じゃこうはいか無いだろう・・・」と言う 自画自賛の完ぺきな取付(^^ゞ 一通り完了し、大満足でお楽しみのテストへ・・・・・ が・・・そこで悪夢が・・・・・((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル |
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まずは工場内で各接続や作動をチェック。すべてOK。 地デジのスキャンが2局しかプリセット出来なかったのが少し気になりましたが、 とりあえず表に出して車速とGPS受信を・・・・とシャッターを開けて表の駐車場へ・・・・ 車速はモチロンOK。GPSは・・・・・あれ?? ここの駐車場ではGPS受信が良く、通常表に出せば即、測位するのに1個も捕捉してない?? まぁ・・まだ1分も経ってないし・・・地デジでも再スキャンして待つか・・・・・・・あれれ??? ・・・・・・・・・地デジが全く受信できない????・・・・・・・・もう一度ナビ画面でGPS・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱり受信してない・・・・・・・・ 完璧な取付との自負から、ここまできてもまだ自分のミスに気付かず(認めたくなかった・・) 更に場所を動かし待つこと10分・・・・・・・・やはりGPSも地デジも受信する気配も無い・・・ ここで”まさか・・・・”と思いつつ(内心もうわかってたけど・・・・) 恐る恐る、GPSアンテナを外して窓から外に出してみると・・・・・・ 一瞬で5個の衛星を捉えた・・・・・・・・・・・・・・ 工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工 熱反射ガラス??マジですか??でもアルファに熱反射ガラスはないでしょう!? 今まで星の数ほど輸入車、特にアルファは手がけてきたけど熱反射は無かったのに・・・。 RZはザガート主体の製作だから??販売経路がフィアットよりだから??? とにかく、フロントガラスが電波を通さないのは間違いない・・・・・ しかも、最近の熱反射ガラスならバックミラー後部に電波透過部があるがこのお車にはありそうも無い。 となると・・・GPSアンテナは車室外、地デジアンテナも車室外にロッドアンテナを立てるしかない・・ しかし、この個性あふれるボディにそんな施工はしたくない・・・・・ さっきまで完璧な仕上がりだと自負していただけにショックは大きい・・・・ ・・・でもETCは普通に作動していたし、お客様は来る時ポータブルナビつけてたし・・・・・ あ・・・そういえばお客様が「このPND、全く役に立たないですよ」と言っていたのを 「あ〜しょせんPNDですからね・・・・」と軽く流してしまっていたが、ここに伏線があったか・・・ ともかくお客様の意向を聞いてから・・・と連絡すると 「前オーナーがフィルムを貼っていたのでそのせいかも知れません。 フィルムは剥がしてもOKです」との事。 フィルム??そうか!!それなら納得とばかりに確認すると・・・・・ なるほど、ガラスの淵まで継ぎ目無く綺麗に貼ってある為、気付かなかったが、 確かにフィルムが貼ってある。色をよく見れば確かに熱反射フィルムっぽい!! これなら剥がせばOKそうだ。 が・・・・・これだけ綺麗に淵まで貼ってあるフィルムを剥がすのは フィルム屋さんなら軽い作業だろうが電装屋にはつらい作業です・・・・・ 僕はフィルム剥がしなどやったことが無いので、経験者である工場長に相談すると 「これだけ奥まで貼ってあるフィルム、残さず剥がすのはうちでは難しいですよ。 剥がせたとしても後に残る糊の掃除にはかなりの根気と時間がかかると思います」との事。 う〜〜ん・・・・・・しかし、とりあえずは剥がさないことには先に進まない・・・と言うか収められない・・・ で、気合を入れて不慣れなフィルム剥がしに挑戦。 途中「これは外注でフィルム屋さんに頼んだ方が早いし確実」とも思いましたが 工場長の助けも借りてなんとか終了。その後、再度アンテナ類を設置しなおし無事完了となりました。 結局、ナビ取付の何倍もの気力・労力・時間を費やしてしまいましたが これもひとえに僕の確認ミスが原因。自業自得です。 いくら後から熱反射フィルムを貼っていたとは言え、 その可能性も含めお預かり時にチェックするのがプロ。 いつもなら熱反射ガラスの確認は基本。それも輸入車なら更に基本。 しかも資料・施工経験の無い車種ならことさら。 それを得意車種のアルファだからといって怠ったのが敗因です。 *ちなみに先に取付けていたETCは前回取付のチェック時、テスターでOK。 実際の使用でもエラーは無かったとのことから今回のフィルムは ETCの通信は影響ないタイプだったようです* 今回の教訓は・・・・ 経験は貴重な財産です。でも慣れから生じる甘えは禁物です。 「アルファに熱反射は無い」と言うのは僕の経験からの先入観=慣れによる甘えでした・・・・ 余談ですが 僕の持論として自動車整備には色々な専門職があり、 どの専門職も知識・技術・経験・センスは当然のベースとし、 プラスアルファ、専門職別に一流であるための要素としては 板金屋さんは「目」、整備屋さんは「忠実さ」、ドレスアップ屋さんは「こだわり」、 そして電装屋は「頭の柔らかさ」だと思っています。 先入観と頭の柔らかさとは相反する物・・・・僕も一流にはまだまだ修行が足りないようです・・・・ 反省&日々精進!! |
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オマケ 今回のご依頼ではバックカメラもあり。 でも・・・ ←このカメラ・・・微妙に外(車両右側)に向けて付けてあります。 これはお客様のご要望で アルファRZは左ハンドルの上、ドアミラーが見難い、 幌クローズでは死角が大きい為、極端に右後方の視界が悪く、 車線変更や合流時が辛いので 走行中、右後方の状況を確認するためのカメラです。 ゆえに、バック時の後方確認=バックギア連動ではなく、 VTRに接続し走行中に サイドミラー&目視の補助として設置しました。 |
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ナビの2画面表示やPinP機能を使えば ←こんな感じでいけます。 これ、意外と重宝しそうですね・・・・ |
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