遠い過去の某日  失敗談その二 バッテリー爆発!!
バッテリーの説明書等には”爆発の危険があります”等の記載がありますが
”バッテリーって本当に爆発するの??”って思う方も少なくは無いでしょう。
が、これ、ホントに爆発します。原理を簡単に言うとバッテリーに充電される時
(主に走行中オルタネーターによって)発生する水素ガスに何らかの理由によって
引火(バッテリー自体の液減りより極板が露出・ショート、その他)すれば
爆発が起こるのです。整備業界の方の中には実際に爆発したバッテリーを
見たことのある人も多いと思います
が、「実際に自分で爆発させた」人は
かなり希少だと思います。そして僕は恥ずかしながらその1人です・・・・

プロとしてやってはならないことですが、はるか昔のまだ会社に入りたて
&ただの配達要員で何の勉強もしていない頃の話ですので
恥を忍んで皆様が同じ間違いを起こさないよう書きましょう!!

その日の仕事は船のバッテリー交換でした。船のバッテリーといっても
車用(大型バス等)のバッテリーをいくつも並べて使っているものです。
バッテリー自体が大型の上、狭く不安定な船の船倉に出し入れするため
運搬要員として僕とS君が(ともに当時技術知識無し)が
責任者(当時の主任・現社長)に同行していました。
主任が本部に交換工事着手の書類を提出に言ってる間、僕とS君で
新品のバッテリーを船まで運び待機しているとお客さまの現場担当者が
「おい、とっとと換えてくれよ!船早めに出したいんだから!!」
「あ・・工事責任者がまだ来てませんので・・・もう少しお待ち下さい」
「え〜、とりあえず古いの外して運び出すくらいあんた達で出来るだろう?
 書類なんて後で良いんだからとにかくやっちゃってくれ」
と・・せかされ・・とりあえず古いの外すくらい良いかと思い2人で船倉へ・・
すると船倉には異臭が漂う・・・
当時無知だった僕はそれが何の臭いだか良くわからなかったが
実は水素ガスの充満した臭い。そう、船の場合は港に入ってる間に
陸から電気を充電する「陸電」と言うものを行うことが多い。
この日も前日の夜から充電しっぱなしだったそうだ・・・
(次の日バッテリー取り替えるんだから充電するなよ!!と言いたい・・・)
普通ならこの状態では絶対作業しない。まず換気して水素ガスを出さなければ・・
静電気で火花が起こっただけでも引火する可能性があるからだ
しかしくどいようだが当時無知な僕。とりあえず古いバッテリーを外すため
端子にスパナを当ててぐっと回す。次の瞬間・・・・!!
並べて置かれているバッテリーのプラス端子とマイナス端子がスパナにより接触!
(超ど素人でもやらないミスですな・・・)火花が起きたと同時にスざましい爆発音!
バッテリーケースのプラスチックは飛び散り更に次々とバッテリーに引火爆発!
結局4個のバッテリーが爆発しました・・・・(ーー;)・・・・・
狭く密閉された船倉での爆発だったためその音は港に響き渡り
「なんだ?!何がおこったったんだ!?大丈夫か??」の怒声が響く中
僕とS君は駆けつけた人々に引っ張りあげられ・・
埠頭で放心状態になってるところに主任が到着。
2人に怪我の無いことを確認後(実際には飛び散った破片で
多少の怪我をしていたのですが大事になるのが怖くていえませんでした・・・)
船倉に飛び散ったバッテリー&希硫酸を丹念に掃除・・・・・
何せ船なので希硫酸で鉄板が腐ったら沈没しますから・・・・
全て清掃した後、改めてバッテリー交換しました・・・

後日、主任と当時の社長は何度もこのお客様のところへ謝罪と
後始末に出向きましたがその後取引が途絶えたことは言うまでもありません。
(ホントにゴメンナサイ)・・・・・・・・・m(__)m・・・・・・・・・
僕は会社に始末書提出後、バッテリーその他について鬼のように勉強致しました・・
勿論、バッテリー自体に爆発回避のための工夫がしてあります。が
その性質上、バッテリー爆発はありえるのです。
では最後に、みなさんがバッテリーを取扱う上で、爆発を避ける注意を少し・・
・走行直後(充電直後)はバッテリーの周りで引火を誘発するような作業をしない
 (スパークは勿論下手をすると静電気でも引火します)
・上記状態でやむを得ず作業をする場合や、バッテリーを車から降ろして
 充電器にかける場合はバッテリーのキャップを外しておく
 (万が一引火しても爆発は逃れます)

と言うところでしょうか・・・
バッテリーはどの車にも搭載され、一般の方でも交換可能な製品ですが
取り扱い方によっては事故に至る可能性も充分にありえる
ものですので
恥をしのんで書かせてもらいました。参考になると良いのですが・・・
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