2002年7月某日 某欧州車のエアコンは・・??
7月に梅雨が明けるとこの業界はまさに旬となり
エアコン修理に没頭する毎日となる。当社も例外ではないのだが
このHPのおかげか特に今年は一般のお客様からの依頼が圧倒的に多い・・
その中でも多いのが輸入車だ。一般の整備工場では嫌がるせいか・・・??
とにかく・・その日来たのは某欧州車、点検してみると圧力が異常に高い・・・
これはコンデンサーの冷却不良かガスの入れすぎ・エアーの混入等が考えられる。

が、電動ファンは良く回っているし汚れもさほど無い・・・
聞いてみるとGSでガスを補充したらますます効きが悪くなったとのこと。
なるほど・・・とりあえずガスを少し抜くが一向に収まらない。
やたらと抜くのは危険なので後日正確に量を測って再充填することになった。
するとその次の日、同じ年式の同じお車が・・
あまり台数は出ていないお車が2台続けて・・・・・・
しかも2台ともエアコン修理を要するにしては比較的新しい年式だったのだが
症状はまったく同じ。
で、こちらはディーラー以外では何もしていない(ガス補充等)
とのこと・・こちらはお時間があったのでその場でガスを回収してみると
回収できたのは800g。回収時の損失を考えると900g弱入っていたと思われる。
この量はシステムから見ると多分適正量だろう。が、普通
輸入車の場合ガスの適正充填量が記載してあるのだがこのお車には記載が無い。
で、再充填の為、真空引きをかけている間にディーラーに電話して確認すると・・・
「すみません。電装店なんですけど○○のガスの正規充填量を・・」
D「どのような症状ですか?」
・・・・??エアコン修理の場合電装店のほうが専門なので
こちらから聞かない限りはディーラ側から症状等について聞いてくる事少ない・・
が、一応症状を話すがすでに点検済みのことを聞いてくるばかりで
肝心の話が進まないので
「とにかく・・・マニュアルに書いてある正規充填量は何gなんですか?」と聞くと
D「・・・・・・・・・・・・・・・・ゲージの圧力を見ながら入れてください・・・・・・・」
・・・・・なるほど・・・
この時点で僕の頭の中では話の先が見えたのだがあえて意地悪く
「電気屋ですから当然ゲージ見ながら入れますけど念のため正確な規定量は??」
と突っ込むと・・・歯切れ悪く
D「・・・・・では・・・600gまでにしてください・・・・・・・・」
・・・・・・おいおい・・・いくらなんでもそれでは少ないだろう・・・・しかし担当さんが
あまりに辛そうだったのでここで方向転換、フレンドリィな口調にして
「あの〜お客様には言いませんのでぶっちゃけた話で この車、
もともと設計の問題で規定量のガス入れると圧力が上がりすぎるんでしょう?
電気屋の経験から言ってどう見ても800g以上が規定量ですよね?」
すると担当さん、胸のつかえが取れたように歯切れ良く一気にしゃべりだした!
D「そうなんですよぉ〜〜ヤッパリ電気屋さんにはわかっちゃいますよね?
うちは知ってるから良いんですけど正規ディーラーでも知らないと
マニュアル通りに規定量入れちゃってエアコン効かない
んですよねぇ〜〜」
担当さん、正直なお答えありがとうございました。お客さんには言わないどころか
HPに書いちゃいましたけど・・・(車名出して無いから良いですよね??)

って訳で2台ともガス量を減らすことで効きは良くなりましたが
もともとの圧力が高い原因はコンデンサー部の設計の悪さであり
エアコンシステムの正規充填量よりははるかに少ないガス量ですので
炎天下ではガス不足と同じ効きの悪さになる
ことは容易に想像できます。
(勿論お客様には説明いたしました)
カーエアコンのページのQ&Aに
「輸入車のエアコンは効きが悪い」ウンヌンについて
記載しましたがこの車種は間違いなく、もともと効きが悪い部類のようです・・・・
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