2006年3月某日 こんな筈では・・・・電気屋の意地?で苦労する・・? ポータブルナビ取付    
先日、闇夜の日記に書いたハイヤーポータブルナビの話・・・
ご覧になっていない方はまずこちらを・・・・

で、2月後半よりこのナビの納品を始める。まずはハイヤー整備工場の整備士さんたちが
自分たちで実際に取付。当然のごとく?僕が営業&配達に行くたびに
「これはどうつけるの?」「この車種の場合はモニターの位置は??」等々質問攻め。
各車種のモニター取付位置や車速の取出口の資料や説明をし・・・・
最初の頃は皆さん戸惑っていたがそこはプロの整備士&何時も整備している車種ばかり。
数台つければ慣れてくるので効率も上がり、取付ペースは思ったより早い。
当初の予定では、まずハイヤー整備士さんたちが一通り取付し、
最後に残った分を当社が取付けるという話だったので
「まぁ、これだけの台数だから実際に当社で取付に着手するのは4月かな・・・」
と思っていたのだが、そうも言っていられなくなり・・・・3月後半から取付に着手する。
が、とにかく台数が多い&1台の作業は簡単なのでチョコチョコやるより一気にやってしまった方が楽、
と言うわけで車の稼働率の少ない
土日祝にまとめてやる方向で話しを進める。
で、最初の打ち合わせ。
僕「じゃあ、今度の土曜日とその次の祝日に出張で行きますから
  取付可能な車の車番だけリストアップしておいてください」
ハイヤー担当者「うんわかった。え〜〜と・・・
何台くらいできるの?3台くらい用意しておけば良い?
僕「いえいえ、
わざわざ土日に行くんですから、まぁ10〜20台はやりますよ
ハ「
え??そんなにできるの?うちの工場では1日1台、多くても3台くらいしか出来ないのに・・・
僕「まぁ、最近は毎日こればかりやってますし
専門ですから・・・・・」(チョット自慢げ
ハ「さすがだねぇ〜〜じゃあその予定で・・・」

と言うわけで初日の土曜日、前日も遅くまで仕事があった為、11時に最初の営業所へ・・・・・
で、リストアップされている車を駐車場で探し片っ端からナビを取り付けていく・・・
が・・・・!!取付始めてすぐに読みが甘かったことに気づく・・・・

取付けるのは
ポータブルナビ&ジャイロユニット
通常なら電源はシガーソケットに挿すだけ、モニターをポンと乗っけてジャイロの車速を繋げばOK。
作業らしい作業と言えばAピラーを外してアンテナ配線を通すことくらい。
しかも車種は何時もやり慣れてる数車種に限られる。

ハイヤーの場合、僕が作業すると据置の
パナHS400Dで40分程度なので
ポータブルなら1台20〜30分と読んでいたのだが・・

実際の作業は・・・
まず、ガラスを拭いてフィルムアンテナを貼る。
水を多めに使うと乾きが遅くなるので最小限しか水は使わず1発で決める。
次にAピラーを外しエアバックをよけて配線を決め、同時にGPSアンテナ設置、
GPSアンテナ線とTVアンテナ線をグローブボックス裏側に出してAピラーを戻す。
各配線のモニター部までの距離を予想、余分な長さ分をまとめて
他の機器の影響を受けにくい空きスペースにしまう。ここまではとても順調。

次にジャイロユニットの設置。ここで
第一の躓き
そう、ハイヤーの場合、助手席は殆ど使わない&助手席足元にはメーター類がすでに
ゴチャゴチャと付いているので
HS400のジャンクションボックス等ならここに投げてしまえばOKなので
そのつもりでいたが・・・・あっ・・・
ジャイロだから水平に置かなければならない
助手席アンダカバー内側に入れれば良いのだが、ここにスペースが有るハイヤー車両は日産車のみ、
まぁ、無理やり入れれば入るのだが、
やはり美しくないし、何よりブロワモーター真近にユニットをつけるのは好ましくない。
ちなみに、ハイヤー整備士さんたちはこれをアンダーカバー外側に両面テープで貼り付けているので
同じ方法を取れば簡単だし頂いている工賃から考えればこれが正解なのだが
ジャイロユニットが表に出るのは美しくないし・・・・と電気屋のくだらない?意地が邪魔をする・・・
結果、センターコンソールをばらしその中に設置。
助手席側だけをバラせばOKの予定がここで崩れる。

次に車速の取り出し。
ハイヤー車両のトヨタ車はすべて助手席側アンダーカバー(クラウンは1部グローブボックスも)のみ外せば
簡単に取れるが日産車は運転席側。ゆえに運転席側もバラして配線を通す必要がある。
が、実はハイヤーの場合、助手席側のハイヤーメーターに車速信号が来ている。
ゆえに、整備士さんたちはここに接続。
前記のジャイロの貼付設置とあわせればとても簡単な作業となる。
が・・・ここでも電気屋のくだらない意地が・・・・
「ハイヤーメーターから取れば簡単だがメーター交換はもちろん、廃車(営業車として)でメーター外したら
 ナビの配線もやり直しになるし基本的に車速は正規の位置から自分で繋がないと気分が悪い」
と・・・・・・まぁ、正直、ここまで考える必要は無いのだが・・・
結局、
正規の位置から取り出すこととする。

で、後はモニターを設置。これは殆ど問題なし。
次にナビ電源線を・・・シガーライターに挿すだけ・・・・が・・ここで大きな誤算。
というか、これはすでにわかっていた事なのだが・・・

今回のナビはポータブルタイプだが
載せ替えが目的でポータブルをご購入頂いた訳ではない
価格面のみでの話だ。ゆえに、1台に載せる分は固定なのだ。廃車までは外さない。
となると、運転手さんの立場としては
シガーソケットが常に使えなくなるのは不満
ゆえに、初期に整備士さんたちがつけた車両(ソケット使用)は後から運転手さん達の要望により
シガーソケット未使用=ナビの電源線を作り直して内部(オーディオ裏等)から電源供給
変更していたのだ。となれば・・・当然
当社での取付も同じようにしなければならない
ゆえに、電源線をばらし、ACC線にはヒューズボックスを作成、アース線にはクワガタ端子をつけ・・・・

ACCの接続に関しては整備士さんたちは
後付のETCやハイヤーメーターのACCラインに
ヒューズを入れずに繋ぐと言う簡易的な方法
を取っているのだが(ヒューズは人により違う)
ここでも電気屋のプライドが・・・やはりきちんとしたヒューズボックス、安全・確実な場所への接続・・・・
これは、
部品代も手間もかかる・・・正直、見積もり段階では考慮していなかったのでかなり痛い・・・

ここまでの話し、このシガーソケットの件を主とする予想外の要素は
見積もり範囲外なので
無視して楽な方法をとっても契約上は何の問題も無い
が!!今回の取付は整備士さんたちがやった車、当社でやった車が存在することになる。
当然、運転手さんたちの間で「
同じ車なのに俺のよりあいつの車の方が綺麗についている
なんて話しになるだろう。そんな時
俺のは電気屋さんがやったのに汚い」などと言われるのは絶対に避けたい
同時に整備士さんが後からいじる時に
あ〜〜やっぱり電気屋さんがやった車は仕上がりも接続もさすがに丁寧だな。と言わせたい
この商売、整備士さんたちの信頼を得られなければ次の仕事は来ないのだ!!
もしかするとこれは
完全な僕の自己満かも知れないが譲れない部分でもある

で・・・結局、電源も丁寧に取り・・・
最後に各配線をナビに接続し・・・・・
最後の大問題発生!!
そう、これはポータブルナビ。
ナビ本体にTVアンテナ線・GPS線・電源線(パーキング線一体)ジャイロ接続線が入り
この配線がダッシュボードからセンターパネル周辺を這い回ることとなる。とても
美しく無い
配線チューブを使用すれば簡単に1本にまとまるがこれだけの配線を入れるとなると
太い配線チューブ使用となり、これまた美しくない
で。。。よせば良いのに・・・
各配線をダッシュボードのカーブにあわせてできるだけ目立たないように
重ねてタイラップとビニールテープでまとめる
。と書くと簡単そうだが
書くより遥かに気&手間をかけた作業を行う。まぁ、これは
究極の自己満
最終的にはこれに一番時間がかかっていると思う。

結局、初日は夜11時まで作業で取付できたのは15台。
途中で営業所移動が1時間あり実質11時間なので1台44分・・・予想を大幅に上回った・・・

ポータブルだから据置のHS400Dより簡単と安易に考えていたが
最初から
電源線は出来ている&ジャイロは本体内蔵&本体への配線は1本のHS400Dに比べたら
こっちの方が遥かに面倒だと言うことに遅ればせながら気づく・・・・

契約の見積もり工賃はHS400D取付工賃(ハイヤー特別価格)の半額・・・
完全に見積もりミスったな・・・自業自得・・・・

と、ここまで読んだ方は
「ナビ付け経験豊富なのにそんな事も予想できなかったの?」って声が聞えてきそうだが
正直言いますと・・・当社では今までに数え切れないほどのナビ付け作業を行っておりますが
ポータブルナビの取付は殆ど経験無いに等しいんです。。。。
基本的にポータブルはお客様自身で簡単に設置できるのがウリな訳で・・・・・
僕自身の作業記憶でも10台無いと思います・・・・ま・・言い訳ですけど・・・

そんな訳で・・・残りはまだ多数・・・気合を入れていかないと・・・・・
余談
この話が決まった時、「
取付台数多いから出張要員を他の電気屋さんからお借りしようかな?
と思い、例によって?同業者では人手もアリ、技術的にも信用してお任せできるまこでんさん
「1台○○円」で話をつけておいたのだが・・・実際に自分でやってみたら
とてもお話しした金額では割りが合わない仕事と判明したので頼むことも出来ず・・・・
さすがに僕1人ではこの先厳しそうなので工場長に休日出勤&出張手当払って御願いするか・・・
あぁ・・・ますます割があわなくなくなってきた・・・・やっぱ自分でやるか・・・(涙
後日談1
この記事書いた翌日、世間がWBC決勝戦で盛り上がる中、第2回出張行ってきました。
さすがにこの日は僕も”途中でWBC見たいなぁ〜〜”などと甘く考え
台数を少なめに言ってあった筈なのに・・・・用意されていたのは2営業所でやっぱり10台づつ・・・・
WBCは諦めて作業したが・・・・この日の車はすべて同型のクラウン。・・。。これも
ある意味辛い
僕は
基本的にナビ付けの仕事は好きである。慣れてない車はやりがいがある
慣れている車は「前回より、より綺麗に、より効率よく」と意識を持って作業するのがとても楽しい
が・・・ハイヤーのクラウンは
慣れすぎて効率も上限まできているので
どう頑張ってんもこれ以上綺麗にも時間短縮も不可・・・・ひたすら機械的に取付けるのみ・・・・
こんな時、下がり気味になるテンションをあげる方法としては・・・泥臭い話しで恐縮だが
これやればお金がもらえる!」と思うことなんだけど・・・今回はそれ考えると逆にテンションが下がる・・・。
ま、こんな時は無心が一番??
後日談2
上のほうで電気屋のプライドとか意地とか偉そうに言ってますけど・・・・
3回目の出張では台数の多さにめげて一部車両でハイヤーメーター裏から車速とってしまいました・・・
なんて軽いプライドでしょう・・・ゴメンナサイ・・・


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