2006年2月某日 カーナビ取付事例 その八 車速の取出し カブリオクラッシックライン編       
当社へのナビ取付の御依頼はこのHPを見てメールでお問い合わせ・御依頼と言うパターンが最も多い。
HP立ち上げ当初はお見積もりに関しては「実際にお車拝見してから・・・」とさせて頂いていたが
ナビ付けが日常茶飯事・メールにも慣れた近年は車両形式や現在のオーディオ仕様等を聞くことにより
取付の可否や正確なお見積もり可能となった。ゆえに、入庫前には当社でも
「あ〜明日のお車はこれだからこんな手順で作業するかな・・・大体○時間くらいかな・・・」と
予想してお待ちする事となる。が・・・時に、予想外(勘違い)の事態が起きることもある。

この日のお車はゴルフカブリオレCLに1DINオールインワンの
イクリプスAVN075HD
の御取付。
メールでは「VWカブリオ92年式」と記載されていたので
僕はてっきりゴルフVと思っていたのだが・・・入ってきたお車は・・
あれ??・・・・ゴルフU??・・・・あ〜〜クラッシックラインだ!
予想していたのと違う車種の場合、
時としてパニックになることもあるのだが、この車種に関しては
取付経験もあるし資料もある(?)ので別段問題は無い(筈だった・・)。
ただひとつ、お客様にご相談しなければならなかったのは
このお車の場合
Aピラー部は鉄板に内装生地が直に糊付けされており
フロントガラスに貼るTVアンテナの配線処理が問題となる
アンテナ線1本ならゴム部分に埋め込んで隠せるのだが
イクリナビのTVアンテナ線+GPSアンテナ線となると
ガラスの端に沿って目立たないよう(それでも目立つ)引き回すか
多少でこぼこ&浮いたような感じになってしまうが
内装生地を剥がしてその下に線を通し、再び糊付けするか・・・となる。
今回はお客様のご希望で後者となった。
まずはこの作業から着手。糊付けされた内装生地を外すのは簡単だが
そこに配線を固定し出来るだけ平坦・自然に見えるよう貼りなおすのは
そこそこ根気が必要・・・・・まぁ、出来上がりは上の写真で・・・・(イマイチかな・・・?)

これさえ終われば後は問題なし・・・・・のつもりで順調に作業、
が・・・・車速信号の接続段階で予想外の事態が・・・・・・
VWゴルフの場合、資料等ではオーディオ裏から車速信号が取出せる事になっているが
ここに信号線が来ていない。
が、実はこれ、良くある事。別に驚きはしない。
別のところから取れるので問題なし。
(この日記の前記事「カーナビ取付事例 その六」ゴルフUで詳細記載してます)
焦らずメーター裏28ピンカプラーを・・・・・・・
な・・・・無い??(*_*;
チョット焦りつつ何度も見直す・・・車検証で年式・形式を再確認し
今度はいくつかの資料を調べなおし・・何度も確認するが・・・・・・
どの資料でも車速信号は28Pカプラー・・・・・・・
ありませ〜〜〜ん!?(涙

お車は翌日までお預かりだっので、この日はここで作業終了。この段階では焦りは少ない。
この日記でも度々取り上げているがナビ付けの要?車速の取出しに関しては
新型車で資料が無い・資料と違う等は良くある事
(「カーナビ取付事例 その四(アルファ164)」、「その五(ルノールーテシア)」で記載)
この場合は
実車で調べたりディーラーさんに聞いたり・・・となるわけだが実車で調べるとなると面倒、
ディーラーさんに聞く場合、ディーラーさんによっては時間が異常にかかったり教えてくれなかったり・・・・
時として「
下請けの電装屋に任せてるからうちではわからない」なんて回答の時もある
が!このお車はVW
VW車と言えば当社には強い&頼りになる味方?まこでん(マコト電機)さんが!!
(ブログのまこでんEXSPRESSでは早速新型ジェッタのナビ取付例も載ってます)
ゆえに、焦りは少ないのだ。(とはいえ、当社でもかなり手がけてる車種なので一抹の不安は・・)

翌朝一番でまこでんさんに電話。すると
「専務、どの資料見てます?あ〜〜ソレだとうちも一緒ですけど・・・チョット他の者にも聞いてみますね」
う〜〜ん・・・折り返しの電話を待つ間、ネットで少し調べてみる・・・ゴルフにナビ付けは山ほどあるが
クラッシックラインの例は少ないようだ。すると
某電装屋さんのHPに取付例があった。
が、そこには「このケースでは車速パルスはとっていません」と記載が・・・・!!何故!?
このHPは当社と同じ電装屋さん、装着されているナビも車速を取るタイプだし、車速を取らない訳が無い。
となると・・・
普通に考えると「車速が取れない」と言う結論が予想される・・・・・(汗
1時間後、まこでんさんから電話が・・・・
すみません。やはり28Pからの資料しかないですね。うちでもそのタイプは過去に無いみたいです
ひぇ〜〜〜〜どうしよう!?とりあえず最悪の事態に備え
車速パルス発生器を注文する。
実はこれ、当社では過去1度も使ったことは無い。出来れば使用したくは無い・・・
って事で再び車速探しの旅?へ・・・・・・

ちなみにこの車のスピードメーターは昔ながらのワイヤーケーブル式。
近年の電気式メーターの場合は100%メーターに車速信号が来ているので
メーターに入っている配線の中で信号線を探せばよいのだが
(多重通信のみの場合は無理ですが・・・)
ケーブル式の場合はメーター裏に信号線が来ていないケースも多い。
その場合はエンジンECUから探すのだがここは配線数がムチャクチャ多く
全くの手探りで探すのはかなり面倒&危険。

で、今回は信号線ではなくセンサーから探すことに・・・・・・

車速信号は言わずと知れた車の速度を判定する基準になる電気信号。
ドライブシャフトやホイール、スピードメーターケーブル等の速度に応じて
回転数が変わる部分の回転数をセンサーで拾って電気信号に換えている

ゆえに、センサー部はこれらの近くについている訳だ。
で、まずは1番手軽なケーブル周りを探すが見当たらない・・・
過去記事のルーテシア編では
ケーブルの最後にセンサーが付いていたが
このお車ではケーブル自体には付いていない。
が、ケーブルの先であるメーター自体を見てみると・・・・・・

おおぉ〜〜〜!!あるぞぉ〜〜〜ソレっぽいのが・・(喜
ワイヤーケーブルの接続口の横に
いかにも「
回転センサーで〜〜〜す!マグネットの回転見てま〜〜す!
ってユニットが付いている。早速ばらしてみると
ビンゴ!!磁界の変化を感知するMRE(磁気抵抗素子)タイプの
センサーがケーブルと接続されて回転するマグネット板部に対している。
これで間違いないだろう。

*オマケ1
ワイヤー式のスピードメーターの場合、このマグネット板の
回転につれて外側の誘導盤(ローター:メーター指針に直結)に
回転力が生じることにより速度を表示するようになっている。
又、この回転力だけだと指針が上がりすぎてしまう為、
バランスを取る為に指針を押さえるヘアスプリングが設置されている。
このヘアスプリングがヘタってくるとメーター指示が高くなってしまいます。。

*オマケ2
マグネット板はN・S極が交互に配列されておりMREセンサーと組み合わせた場合、
その数が4極なら1回転で4パルス。20極なら1回転で20パルスとなる。


あとはこのセンサーから出ている出力線を追っていき(基盤をなぞっていくのだが結構目が疲れる・・・・)
ナビの車速信号線を接続すればOK!一応テスターでパルスを確認してから接続。無事完了となりました。

チョットだけ疲れましたが無事終了してほっとすると同時に
念の為取寄せたパルス発生器・・・・どうしよう??とチョット困ったお話しでした。。。


最新記事 のTOPへ 前月記事