2006年9月 カーナビ取付事例 その九 口では説明できませんので・・・ アルファGT・147編 | ||
HPに取付事例の写真を載せていると「これはどうやってつけているのですか?」 と言う問い合わせが良くある。個人のお客様は勿論だが専門の取付ショップや 整備工場・ディーラーさんなどからもくるのは笑ってしまうが・・・ 個人のお客様はともかく、競合会社にタダで情報教える義務は無いのだが みなさんお困りになって聞いてくるのだからできる限りは対応する。 まぁ、当社のほうから聞くこともあるし・・・・で、問い合わせの内容は やはり車速の取り方、特殊な取付の加工法やキットについてが圧倒的に多い。 この手の質問なら「車速は○○の××でとれます」とか 「△△社から取付キットが出ているのでそれを使えば簡単です」 とか簡単に答えられるのだが、技術レベルの話になると口や文章では説明し難い。 特に困ってしまうのは「オーディオ裏のスペースが狭くてナビ(オーディオ)が入らないのだけど・・」 って奴である。これには 「とにかくオーディオ裏上下左右の空き具合を確認して配線を綺麗によけて入れてください」と言うしかない。 この質問で多い車種は当社取付事例にあるアルファGT・147の2DINキットを使用しての取付。 って訳で今回はDIY派の方へページの拡張版?ッて事でアルファGT・147の例での配線処理を・・・ (元々当社ではアルファ御依頼は異常?に多いのですが9月は特に連荘でしたので・・・) |
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まずは純正オーディオ&ドリンクホルダーを外した状態。 この車の場合、オーディオの上下左右全てに充分な スペースがあるのですが、オーディオ真裏の部分は 隙間が非常に少ない為、配線がここに来てしまうと キッチリ入りません。 又、2DINキット使用の場合、固定は後ろのゴムブッシュ部 (青丸部)とフロントのネジ2本(赤丸部)のみ、 しかもフロント部は薄い樹脂のみなので 無理やり押し込んでネジ止めすると配線が 押されるだけでは無く、ネジ止め部の元が折れてしまいます。 グローブボックスを外せば助手席側から、エアコンパネルを 外せば下側から、それぞれオーディオ裏まで手が入るので そこからオーディオ裏の配線を整理しながら入れるのです。 |
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(この車はオーディオ装着後にエアコンパネル装着できます) どの車種でもいえるミソその1は ・オーディオ挿入時にオーディオ裏が触れるように 手が入る場所を探す。(グローブボックス・エアコンダクト・ アンダーカバー・センターパネル等) 次にこの車の場合、オーディオ裏の配線を逃がせるスペースは 写真青枠部のみととっても狭くなっています。 ゆえに、取り付ける機種の本体やコネクター類が これより出っ張る場合はどうやってもキッチリ取付できません。 まずはゴムブッシュだけ付けた状態で本体が収まるか 仮に車両に入れてみて、ゴムブッシュの長さ調整後、 ナビ単体で各コネクターを挿し出っ張りが無いか確認します。 |
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↑するとこの写真・パナHDS630Dではいつも使用している 欧州車用アンテナ変換ケーブルでは左の写真のように 許容ライン(青線)より出っ張ってしまいました。 そこでプラグ部が短いアンテナ変換ケーブルに変更して 許容範囲に収まる様にします。 ←こちらはカロZH009、iPodアダプターやら携帯ケーブル、 ETCとほぼフルオプションなので裏側はこんな状態・・ この配線があの狭いスペースに・・・入るのか?? もちろん、何も考えずにそのまま取付たら配線が重なったり 出っ張ったりして絶対に入りません。 予めどのように何処に逃げるかシュミレーションします。 |
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カロナビの場合、各コネクター接続部が背面最奥部 (ゴムブッシュ部)より1段引っ込んでいて各L字コネクターが キッチリ収まります。又、サイド及び上部(ピンク線部)が 切り込まれているので、ここから各配線を逃がすようにすれば オーディオ裏はほぼ平らとなりスムースに取付できます。 このイメージを元にどの線を何処から(下・右横等)出すか 考えながら実車に配線を装着・取りまわします。 が、実際に実車装着の際は配線が折れ込んで横や上に 逃がした配線が戻って来てしまえばそれでアウト。 ゆえに、裏から手を入れたり、隙間から工具を入れて 配線が余計な部分に入り込まないよう調整します。 慣れていない場合は簡単にはいきませんが・・・・ |
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←こちらはパナHDS960TD。これやカロVH009のような 1DIN+1DINナビの場合、通常の各配線以外に ナビ部とモニター部を繋ぐ太いRGBケーブルがあります。 写真はとりあえずそのケーブルのみを繋いだ状態ですが これ以外にGPSやらビーコンやら電源ケーブル2本、 更に拡張ボックスとのRGB,場合によってはETCやiPodと 悪夢のように配線がめぐります。このタイプの配線処理のミソは 各配線類がオーディオ真裏で交差しないようによける事。 写真赤丸部のように交差するとそれだけで収まらなくなります。 これも取付前に十分なシュミレーションをして そのイメージで配線を裏から修正しながら取付けます。 このタイプの方が難易度は当然高くなります |
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アルファGT/147に2DINの場合、配線処理以外にも パネルのチェックも必要です。取付ける機種によっては モニター稼動部が接触する場合があります。 取付ける前に本体にパネルを合わせ、その時点で 明らかに接触する部分がある場合は予め削ります。 モニターの上下左右に加えロッド等が出る部分 (写真のパナ630ではピンク丸部)も確認します。 又、取付後も稼動させ確認、あたる部分があれば削ります。 今回の例ではパナ630・カロZH009は削る必要なしでしたが パナHDS960TDはモニター上部が干渉する為削っています。 (後日追記:960TDでもコンマ数ミリのブラケットへの 取付調整によりパネル削りは不要と判明しました) |
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パネルはハメコミ式の為、かなりしっかりしたFRP製ですので、 ベルトサンダー等の工具が無いと削れません。 上記手順で取付けていくとご覧の通り・・・・綺麗につきます 左からGT:パナHDS630D、147(左ハンドル):パナHDS960TD、GT:カロZH009 |
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どの車種にも言えるミソその2は ・取付け前にどの配線をどう回すかナビの裏側の充分なシュミレーションをする その3 ・車両側に配線を回すときはシュミレーションに従い配線を出す位置を決める。 又、車両側に避けた配線類(特にコネクターやヒューズ等のかさばる物)を何処に収めるか 車両側でシュミレーションする。 と言うところでしょうか。勿論これ以外にも基本的なコネクタ・ヒューズ類の異音対策や 車両側稼動部(エアコンサーボモーターやロッド等)の干渉を避ける処理は必須です。 と、今回は真面目?な内容なのでオチは当然無し、 これで「147(GT)に2DINつけてるんですけど上手くつきません・・・教えてください」 って電話やメールが無くなる事を願って??書いてみました。 |
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