2008年1月 真面目な実機検証編 スマートループの実力は?? 楽ナビHRZ009・都内での感想  
パイオニア曰く07年からのカロナビは「第3世代のカーナビ」
そう言わせる要因は
スマートループ。これによりカーナビは新しい時代に突入したと・・・・
そこまで素晴らしい?ものなら体験してみたい!!
自分で試さなきゃお客様にも説明できないし・・と営業車に楽ナビHRZ009を取付(又もや自腹です。。。。)
携帯電話も買い替えたのは昨年11月中旬の事。そこから約2ヶ月間使用しての感想です。
ちなみに僕の使用状況は以下の通り。
・週のうち3日間はフルに営業外回りで運用。地域は主に都内23区。
・通信設定は常時接続(ルート案内中は10分に1回・非案内時は20分に1回10分情報取得)
・ルートセールスで長年走り続けてる道が殆どだが、あえて毎回ルート案内させる。
・ルート案内時は比較の為、同時装着のパナナビ(CN-HD9000WD:2004年モデル地図更新なし)
 にもルートを引かせて比較

と言う状況。(以下はあくまで2008年1月時点での検証感想です)
スマートループについての詳細はメーカーHPの専用ページで確認して頂くとして
簡単に言えばVICSではカバーしていない道路の渋滞情報(VICS提供道路の約5倍)をカロ独自でまとめ
携帯電話を使用した通信によりその情報を得・反映することでより高品質なルート案内が出来る。
情報を得る時には自車の走行履歴も送信されることによりそれが更に
サーバーに反映・蓄積され、リアルタイムな情報含め情報源が充実すると言う
ユーザー同士・メーカー間での情報交換収集システムなのです。

さて、実際に使用してみて・・・まず気になるのは謳い文句では約5倍と言われる
VICS提携外道路の情報量だ。地図上ではVICS情報は実線の縁取り、
スマートループ情報は点線の縁取りで区別できるのでそれで判定
する。
と言っても通常の「渋滞・混雑」のみの表示では渋滞している箇所しか解らないので
設定を変え「順調」も表示させる。これでスマートループがフォローしている道路全部がわかる訳。
東京新橋付近で検証、以下の写真は上段が1kmスケール、下段が500mスケールで
それぞれ左がスマートループ情報収得前、
右が収得後(下のバーのVICS収得タイムスタンプの一番左の赤い部分がスマートループ収得時間
(*写真をクリックすると少し大きな画面が別ウインドウで表示されます)


ちょっと(かなり??)写真ではわかり難いかもしれませんが
都心では殆どの主要道路はVICSでカバーされており
スマートループで追加フォローされている道路はかなり少ない・・・・・
(この時点で先が見えてる?)謳い文句のVICSの5倍・・・ところか
この地域では5分の1程度??ッて感じです。

ついでに
もう少しVICSとスマートループの表示の差がわかりやすいように200mスケールでの
全体と1部拡大写真を載せえると・・

渋滞表示の矢印(青=順調、オレンジ=混雑、赤=渋滞)が実線がVICS、点線がスマートループ。

更についでに都心から少し外れた江東区あたりではこんな感じ。

ここではスマートループ独自の情報は
東陽町の上方の2本の道路のみ・・・

う〜〜ん・・・残念ながら僕の使用は
殆ど都心ばかりなので郊外や地方の状況はわからないが
都心ではほぼどの地域でも同じようなフォロー率
正直、気休め程度??ッて感じ。。。

で、このスマートループで得られる情報は
1時間以内にその道路を通った他の車(勿論、
スマートループ対応ナビで接続している車)からの
リアルタイムな情報、リアルタイム情報が無い場合には
現在状況・過去3ヶ月に蓄積されたデータから推測される渋滞予想となりますが
地図上でこの2つの区別は無く単にスマートループを元にした情報と表示されます
カロの説明会で聞いたときは「
新しい情報があれば1台でもリアルタイムな情報が優先される
との事でしたが・・・

ちなみに、
スマートループでVICS非対応の道もフォローされていると言っても
勿論
その対象道路は決まっており、とにかく地図上の道路を走行すれば
すべて反映されるわけではなく、
あくまでスマートループ対象道路として登録されている道路
(上記地図画面で表示されている道路)でのみ反映される
のでお間違えの無いよう。
今後は順次対象道路が増えていくのかもしれませんが
増えた道路の渋滞情報がナビ画面上で表示される為にはバージョンアップが必要になります。
要するに現時点ではあくまで上記対象道路のみって事です。

この2ヶ月間、スマートループでの渋滞情報には特に注目してチェックしていますが
僕が見る限りほとんどリアルタイムでは無く、過去の統計がメインと言う感じがします。
常に同じ場所(いつも混む場所)は空いていても渋滞表示されます
又、統計の情報も時間考慮は甘いらしく
朝・夕等、10分単位で流れがわる渋滞情報の変化が考慮されていない感じがします。
VICSもこの点では少し遅れますが、それでも比較すれば
VICSのほうが情報精度は確実に高いです。
VICS提供道路が少なく、スマートループ情報が多い地区ならそれなりに重宝すると思いますが
正直、都内のようにVICS網が整備されている地域では恩恵は薄いような感じ・・・・

と・・・結論が見えてきましたが、実際にルートを引かせた時の影響は??
って事でこの2ヶ月間、走りなれた道ながらもこまめにルート案内させました。
正直、2週間くらいやって面倒なので止めたくなったのですが、この記事を書くためにぐっと我慢して(笑)

で、我慢して使った甲斐も無く?
「お〜〜スゴイ!これがスマートループの力か!!」と言うような
場面には未だに遭遇しておりません・・・・・・・(涙

各地点からのルートの引き方・渋滞回避の仕方、どれも以前使用していたサイバーナビと
基本的には大差なく、販促資料にあるように06モデルなら73分かかるところが39分で・・・なんて
劇的な案内は体験していません。
実際には細かいところで効果が出ているんじゃないの?って気もしますが
同時にルートを引かせているパナナビの案内と比べても
ごく一般的なルートを案内している事がわかります。

そろそろ結論・・・(と言うかもうここまでで出てますけど・・・)
あくまで現時点&僕の使用環境での話しですが
スマートループは発展途上であり、VICSを上回る有効機能か?と聞かれれば答えはノー。
あれば役立つこともある程度
と考えます。
勿論、今
後スマートループを接続して走る車が増え、情報量の増大・精度があがり
その統計及びフォロー範囲も増えれば謳い文句のような高品質なルート案内が
行えるようになるのでしょうから今後には期待したい
思います。
スマートループ搭載機が本当に「第3世代のナビ」となるのはその時でしょう。
*ちなみに上記は楽ナビでのスマートループに関する情報・感想です。
 サイバーナビではもう少しできることは増えますがその点は考慮していません。

以下は余談ですが
やっぱりこのシステムの肝は以下に多くの情報を集められるか・・・に尽きると思います。
いくら市販ナビではカロナビのシェアが多いと言っても全体から見ればたかが知れています。
同様のシステムはホンダ純正ナビでも有りますがこちらも数は期待できません。
将来的には純正含めた各ナビメーカーが協力・統一してこのシステムを作れば
より確実で精度の高いシステムになり、ユーザーはもちろんメーカーとしても
更なる進化が期待できると思う
のですが・・・難しいのでしょうね。

又、
いくら台数が増えても各車両が常時接続していなければ意味が無い。この点も微妙です。
通信料は安いといっても必ず発生します。そして情報を得るには
そのかわりに自分の車の走行履歴も提供するわけでこれに抵抗のある方もいるでしょう。
それらのデメリットを考慮しても価値があるものならば良いのですが
僕のような使用状況だと「つながなくて良いや・・」となりがちになりそう・・・
まぁ、立場的に(パイオニア社員ではありませんけど・・・)少しでも
普及すればと思い、今後も常時接続しますけど
一般ユーザーの方がどの程度接続するかは微妙かと思います。
ちなみにスマートループで得た情報は更新しないと30分で消え考慮されなくなるので
 この情報を常に使いたい場合は1発接続では無く常時接続にした方が良いでしょう


とりあえず・・・これからスマートループ搭載機を検討する方は
上記ご参考に過度の期待は禁物、
すでにお持ちの方はみんなが幸せになれるように?常時接続しましょう!!・・・ってオチじゃ駄目か??

オマケ
この検証の為にわざわざ携帯電話買い換えました(WIN W52SH)。
ナビと電話の仕様でつなぎっ放しでナビの電源切る(キーオフ)と電話の電源も落ち、
再び電源オン(キー音)で電話の電源も入るのですが
何故か
この動作をするとその後、情報収得が出来ない・・・(>_<)
電源オン後、一旦携帯を外してもう一度接続すると普通に作動する
のですが・・・
ゆえに、エンジン切って再度始動した時は電話を抜き差しする必要がありチョット面倒・・・
これは仕様と言うよりなんか間違ってる気がする・・・・
ついでに言うと僕の使用しているHRZ009、必ず同じ場所(山手通り内回り渋谷付近)で
走行中に一旦電源が落ちる(再起動する)・。・・・・
これって心霊スポット!?え??単にハズレ引いちゃっただけ???う〜〜ん・・・・・
(お客様のナビなら即メーカーに報告・検証・交換するのですが所詮営業車のナビ・・・
 って事で現在放置プレイ中です・・・・)


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