2010年8月 最近の車は・・テールランプ不灯。球切れ?配線不良?いえいえ・・センチュリー編
猛暑続く8月の猛暑日、お得意様のハイヤー会社整備工場から実車点検依頼の電話が鳴る。
  
昔は外回り&ハイヤー整備工場での点検&修理が僕のメインの仕事でしたが、
不景気でハイヤーも減車&整備工場も外注を減らし、最近ではめっきり減ったお仕事。
   
で・・・エアコン点検か??と思ったところ、
「センチュリーなんだけどテールランプが点かないんだよね〜〜。
 左右3つづつあるうち右2箇所、左1箇所が・・・・
 多分配線切れてるんだと思うけど俺らじゃわからないから・・・・・車はセンチュリーね」
   
整備屋さんからの電話なので当然球切れは見てるであろう。
、配線切れ??確かに昔はリアだとトランクのヒンジ部で配線が切れてたり・・・って事はあったけど・・・
多分・・・・と言うか間違いなく制御系ユニットの故障だろう。。。
ただ、この時点では現行センチュリーの灯火回路は見た経験が無く推測にすぎないのだが。。
   
昔は灯火関係と言えば球切れ・スイッチ不良・リレー不良・配線切れが当たり前、
と言うか構成部品はこれだけ。
でも今の車は灯火関係をまとめてコントロールするユニットが入っている事が多々あり、
センチュリーなら間違いなくコンピューターが入っているであろう事は予想できる。

で、ここで
多分コンピューターだと思いますからコンピューター換えて下さい」って言っちゃえば
話は簡単、ハイヤー会社さんは余計なお金を払わなくても良いし、
僕はクソ暑い出張先で熱中症と闘いながら点検する必要も無い
しかし、当然のことながらお金にはならない。。。。
数分悩むが、結局、儲けより暑さが嫌で?
ユニットが付いていると思うんですけど見てみました?
そんなの付いてるの?
修理書あります?修理書見ればわかるんですけど・・・
センチュリーは無いんだよね。とりあえずお金払うから見てよ

お金払って下さるなら・・・・仕事ですから喜んでいきます!(^^♪・・・・
と商売としては喜びつつ、暑さで嫌がる身体に鞭打ち向かう事に。

余談ですがこれも不景気の流れの話で、
↑に出てきた整備修理書。これって車種別に”整備要領書”とか”整備修理書”とかいう名で
車両メーカーが発行している物で、これがあればその車種の殆どの修理点検方法がわかるもので
ハイヤー会社の整備工場では保有している車種の修理書はたいてい置いてあります。
一般の方でも入手は可能ですが値段はべらぼうに高いです。

で、ハイヤー会社の場合、同じ車種を大量に購入するので
整備工場の数だけ、この修理書を車両メーカーさん(正確には購入元)がサービスでくれたのですが
最近は不景気のせいか?買わなきゃいけないらしく、
台数の少ない車種や整備工場の規模によっては持っていない工場もあり、
今回もご依頼の工場では修理書は持っていませんでした。


って、事で、現場に向かう前に、他のハイヤー会社の大きめの工場に立ち寄って修理書を確認
(当社では都内大手ハイヤー会社4社のうち3社と深いお取り引きがある&
  各工場は都心に集中しているのでこの辺は応用が効くのです。)

すると・・・・やっぱりあるある。。。
センチュリーの場合MPXコンピューターなるものが左右2つついており、
それそれが左右の各テールライトへの電源(+)を出力しており、
電源(-)はボディアースでは無く、このコンピューター内で制御、
で、このアース回路の方は左右では無く、ランプの位置で互い違いになっている
こりゃどう見てもこのどちらかのアース制御回路が壊れているので間違いない

で、このコンピューターの位置も修理書で確認すると、
トランクの右側、多分ペロッとめくれば見える位置・・・
こりゃ、トランク開けてペロッとめくってチャチャっとテスター当てれば5分で完了しそうな感じ・・・

こりゃ楽勝、熱中症になる前に終わりそうだが、
点検料頂く以上はさすがに5分で終わらせると請求し難いので、それなりにキッチリ時間をかけるか・・・
などと画策しつつつ現場に到着、早速現車拝見。
ありゃありゃ・・・
確かに右1つ・左2つ、更にライセンスプレートランプも不灯。
こりゃ間違いない。

その場ですぐコンピューターに行っても良かったのだが、
ここでセコク時間を稼ぎ?もとい、確実な点検の為
まずは不灯の各ランプの球切れ&配線への電源供給チェック。
予想通り、球も切れていないし、
電源(+)は来ているが、アースは導通していない


その確認に10分ほど使ったところで、
そろそろ汗も出て暑さで頭がクラクラしてきたので、
”もう良いだろう・・・”と?トランクの左横のカーペットをペロッとめくると・・・
あったった・・・いかにもそれっぽいケース。
この中にお目当てのコンピューターちゃんが2つ、ガンクビ揃えて待ってるはず・・・・
と、ケースの蓋を開けると・・・・
ありゃりゃ???いねえぞ??(*_*;
ヒューズボックス&ジャンクションボックスだけで
コンピューターらしきユニットが無い!!!
   
と・・・いつもならここですぐにトリックに気が付くのだが、
暑さのせいで思考能力が弱っていたらしく
”修理書と年式が違うのかな?
 ユニット場所が変わっているのかも??”
と、余計な詮索をしてしまい、各配線を追って
ユニットの行方を捜すと言う余計な作業に突入!!

ここで無駄な時間をとってしまい、熱中症の寸前まで行き、
危うく休憩をとると言う失態・・・

休憩しながら冷静に考えてみれば・・・・・
そう言えば昔のクラウンのライトフェリアセンサーもヒューズボックスの裏についてて
 ヒューズボックス外して点検した
な・・・・
 あの頃は若くて知識はあっても実作業経験が少なくて苦労したっけ・・・・”
と、昔の記憶がよみがえる。

となれば・・・・所詮トヨタ車、こいつもこの裏に隠れているんだろう・・・
とヒューズ&ジャンクションボックスを更にバラスと・・・・
ハイ、いましたね。こいつらです(^^♪

で、このコンピューター、2つとも同じものなので
遊びで左右を入れ替えてみると・・・・・
ハイ、さっきは不灯だったランプが
全部点いて
点灯していたランプが
全部消えました(^_^;)


ちなみにこのライト制御のコンピューター。
ただのリレーボックスみたいで
従来のライトリレーなら数千円と言うところなのですが

”コンピューター”と名が付いてるせいか
一万円以上するんです。。。。たっけぇ〜〜〜〜〜(ーー;)
ためしにこのコンピューターなるものをバラシテみると
基盤に怪しいところが・・・・・

ただ、この裏はICユニットで直すには
手がかかりそうだったので結局コンピューター交換になりました。


と、今回のオチは面白くも何ともありませんが題名の通り、
最近の車はなんでもコンピューター制御、ただの球切れ?と思いきや、
実はコンピューターで意外と高くつくって事は往々にあり
って事と、
炎天下での出張作業はしっかり休みながら冷静に作業しないと
かえって無駄な時間が増える
って事でした(^_^;)


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