2010年9月 急ぎの時は??   叩けば治る2??   エアコンブロワモーター編
今年の夏は記録的な猛暑・・・・って事でエアコン修理も例年に増して多い夏でした。

これだけ暑いとエアコン不調の車は乗るのが辛い・・・=即修理ご希望なのはもっともなこと。

ただ、エアコン修理の手順に関しては
まずは点検&原因特定→部品取り寄せ→部品入荷後再度ご来社頂き修理
が基本となる為、調子悪い→ご来社→即修理・・・・となる例は少なく、
ましてや必要部品がメーカー欠品していると長い間お待たせしてしまうパターンもあり心苦しいのですが。。
←こちらのお車は杉並時代から
何度も御来社頂いているシボレータホ

過去7年間で、エバポレーターからコンデンサ、
コンプレッサーにアキュームレータータンクと
エアコンパーツは殆ど、更にオルタネーターも
当社で交換しているお車。

もうエアコンパーツは変えるところが無い?と思っていたら、
今年は唯一変えていない高圧ホースからガス漏れ・・・・

7月末に点検し、部品発注したのですが国内在庫なし、
アメリカより取り寄せ&本国でも欠品
で、
部品が入荷して修理完了したのは1ヶ月後(>_<)


夏の一番暑い時期1ヶ月間、エアコンなしで乗って頂くと言う事になってしまいました。。。。m(__)m


こんな自体を避けるためにも部品手配は出来るだけ早く行いたいところですが、
何せエアコン不良に関しては、いくらメールで細かく症状を書いて頂いても、
実際に拝見して見ないと、不良箇所は特定できない
いうえ、
不良箇所確認してからの部品手配となる為、どうしても一歩遅れてしまいます。


が、ごく稀には、メールでのやり取りだけで症状をほぼ確定できる場合もあります。


猛暑の真っ只中、その日頂いたメールは、
以前ETCご購入やエアコン修理で御来社頂いた70スープラのお客様。
 
メールに記載の症状は、エアコンの風が出ない・・・・と言うもの。
 
これだけだと、推測される原因は
ブロワモーター、レジスター、スイッチや制御ユニットそのもの、
その他多数の原因が考えられ、やはり点検しなければ特定はできません
 
が、更にメールには
今年に入り数回、症状が出たり出なかったりしており、最近完全に動かなくなったとの事。
 
更に、このお車はかなり年式が経っている・・・・となると、
経験上、一番怪しいのはやはりブロワモーター自体のブラシの磨耗による接触不良
(要するにモーターの寿命です)
 
この場合、お客様自身でも簡単に確認できる方法があります。
 
それは・・・・・
以前もこのページで何度か紹介しているお婆ちゃんの知恵袋?
冗談みたいだけど電気関係の不具合点検には
意外と多用される「叩けば治る」ってやつです。
 
ブロワモーター本体の寿命(ブラシ磨耗)の場合、
ブロワスイッチをオンにしたまま、ブロワモーター本体を軽く叩いてやると、
ブラシが少し動き、モーターが回りだす
のです。
 (ただし、モーターのブラシ磨耗以外に原因がある場合や、症状末期の場合は回りません。)
 
ちなみにブロワモーターは大体グローブボックスの後ろにあり、
車によっては覗けば見えますし、見えない車でも助手席側のアンダーカバーを外せば殆ど見えます。
 
で、これが整備屋さんからの問いあわせなら
「ブロワモーター蹴っ飛ばしてみました?」と聞く所ですが
一般のお客様に対しそんなことは言えるわけも無く・・・・
 
結局、後日点検の為、御来社頂くこととなりました。
 
が・・・どう考えてもブロワモーターの可能性高し&その場合、
点検は数分で終わるし、交換になったとしても部品があれば数十分もかからない作業
で、このお客様は23区在住で当社までは往復2時間・・・それを2回御来社頂くのも忍びなく・・
 
更に、こちらのお客様は修理は当社に御依頼頂けるのは決まっていた&
以前の修理でお車の情報も手元にあったので、
今回は見込み発注でブロワモーターをあらかじめ用意してお待ち致しました
(これで万が一、原因が別だと間違いなくデッドストックになるので通常は絶対にやらないのですが・・・) 
 
いざ、点検当日、お客様がご来社なさると同時に助手席に乗り込み症状確認。
エアコンの風量(ブロワモータ)スイッチを動かしてもウンともスンとも言わず・・・・・
 
そこで間髪入れずにアンダーカバーを外し、必殺技!?ブロワモーターを軽く叩くと・・・・・・
ブ〜〜〜〜ン  

と予想通り勢いよく回りだしました。
 
これにはお客様も「あ・・・・」と驚いたご様子。
 
念のため、テスターを使いキチンと点検後、
ブロワモーター交換で修理完了となりました。

作業時間は点検から交換終了まで20分ほど。
お客様のお帰りは
快適なエアコンでお帰りになりました。
 
ちなみに、
このブロワモータの「叩けば治る」ですが、”治る”わけではなく
一時的にブラシが接触し、回るだけですから、しばらくすると又使えなくなります。
ただ、修理(交換)までに、時間がある場合で、車に乗らなければいけないときは
応急処置として叩いてまわすとその間は快適・・・って応用もできますのでご参考までに
 
*このブロワモーターの寿命は10万キロ以上走っているお車や
 10年以上乗っているお車等でよく起こる症状です。
 年式の新しいお車では、先ず起こりません。
 年式の新しい車でモーターが回らない場合は他の原因ですので叩かないように・・・・・
 
オマケ

エアコンの風量関係で高年式車で良くある故障と言うと、
上記ブロワモーターの寿命以外にレジスターの不良があります。

風量制御スイッチが何段階かあるうち、特定の位置(風の強さ)だけでは風が出ないが
他の位置では風が出る
・・・と言う場合は、
風量を制御する為のレジスターの一部が切れているパターンであることが多いです。

今回、ブロワモーター交換したお車も、この故障が多い車種なので、
今回同時に交換しました。1500円くらいの部品なので・・・・
 
ただし、近年の車両では風量制御はレジスターではなく、
パワートランジスター等を使用していることが多いので、
これも高年式車特有の故障になっていくと思いますが・・・・・
 
 
と、今回は特にオチ無し?のまじめなエアコンコネタでした。


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