2010年10月 最近の車は・・・CAN-BUSアダプターとバック信号 〜BMW E61編〜 | ||
今やすっかりメイン業務のナビ取付。 昔は他店では請けて貰えないような輸入車ばかりだったのですが、 最近は普通の国産車の入庫割合も増えました。 で、最近の国産車は最初からナビを装着できるよう設計されているので、 ナビ取付に必要な信号線類がオーディオ裏にあらかじめあり、取付も楽になりました。 が、輸入車の場合は相変わらず 市販ナビの取付なんて設計段階では考慮されていないので、 近年の国産車に比べると手間数は増えます。 まぁ、当社の場合、慣れているのでどーって事は無いのですが・・・・(^_^;) で、輸入車のナビ取付時のご質問で多いのがCAN-BUSアダプターについて。 これを使用するとナビ取付に必要な信号類が簡単に取り出せるのでDIYの際には便利、 また、知識の少ない&簡単に取付けたい量販店では ”このアダプターを使わないと取付できない”なんて言われることも多々ある様ですが 殆どの車種では必須では無い&アダプター自体が高いので当社では滅多に使用しません。 ちなみにCAN-BUSアダプターの利点は 1.各信号(ACC・イルミ・バック・車速・パーキング)が安定した状態で簡単に取れる 2.1部車種ではこれを使用する事でのみACC位置が使えるようになる。 *主にVW車。他車種は無くても可能。 3.市販メーカーの取付キットではこれとオプションを合せることにより、 市販ナビ(オーディオ)に純正ステアリングスイッチが使えるようになる。 等となります。 ただ、各信号線は車種によっては取り出せない信号もある事、 アダプター自体から取り出せる電流には制限があるので、 たくさんのユニットを付ける(作動電源を取る)場合は 別途リレーを介さなければならないなどの注意点もあります。 さて、10月某日、この日の御取付はBMW5シリーズ(E61:i-drive装着車)に オンダッシュナビとバックカメラのお取付。 i-drive装着車は市販ナビの取付にちょっと悩む車の為か、 BMWには慣れている当社でもこの車種の取付は初めて。 近年のBMW車では各信号はおろか、 常時電源やACC電源を取るのも普通とは違う場合が多いのと、 今回はお問い合わせから御取付までに時間が無く、資料も集められなかったので、 念のため汎用のCAN-BUSアダプターを利用してのお見積り&施工となりました。 さて、いざ作業開始! 通常、施工例&資料が無い車種の場合、養生を終えたらまずは 各ユニットの設置予定位置の状態確認と各信号線の取りだし箇所を確認します。 今回は地デジ別体オンダッシュなのでモニター・本体・地デジの位置ですが、 こちらは御客様とご相談の上でモニター位置は 純正モニター前(純正がギリギリ見える程度かぶせて)、 本体はBMWお決まり?の助手席グローブボックス下吊り下げ、 地デジは助手席シート下予定だったので、 それぞれ設置予定位置の近辺の状態を確認して作業手順をシュミレーション。 結果、地デジはグローブボックス奥のスペースに設置する事に変更し、後はOK。 次に各信号線・・・・は今回はCAN-BUSアダプターを使用するので確認の必要無し。 こりゃ楽で良いわ・・・・通常ならここまでで結構時間食う場合もありますので・・・ 後はチャッチャと作業を進めていくだけ。 オーディオ&フロント周りは普通の?BMWって感じだったので作業は極めてスムース。 ”ああ・・・CAN-BUSアダプター使うとこんなに作業が楽なんだ・・・・ 量販店がこれ使わなきゃNGって言いたくなる気持ちは良くわかるな・・・・” などと思いつつ、予想時間の半分以下の2時間弱で バックカメラ本体取付のみを残しナビ&地デジ関係は一通り取付完了。 ”うぉ〜〜早っ!さすがCAN-BUS!”と思いつつ、カメラにかかる前に念のため作動テスト。 すると・・・・・あれ???? キー入れる前からナビの電源が入っている???(*_*) 何でじゃ?? と、まぁ別に焦らず、検証して見ると CAN-BUSアダプターからのACC出力がキーオン&アクセサリー位置では無く、 スタンバイ位置(ドアアンロック&オープンでオン、エンジンオフ・ドアロック後数分でオフ)の 出力になっている・・・・・・(ーー;) とりあえずもう一度、CAN-BUSアダプターの説明書&対応車種&接続状態を確認して見るが やはり問題無いし、この車種も対応&各信号が取れることになっている・・・・ 念のため、再接続し直してみても結果は同じ・・・・ まぁしかし、これは汎用アダプターではありがちな事・・・・・ACCだけ取り直せば良いだけの話。 近年のBMWはカーアクセスシステムからACCが取れる&それがあるのを その前の作業時に確認してあったので全く焦りは無し。 カーアクセスシステムがある運転席側を組んでしまったのは痛かったが、 再度バラスのは大した手間でもないので、そのまま作動テストを続ける。 バックカメラは床に置いたまま仮接続し、バックギアに入れると・・・・うん、OK。・・が・・・ ・・・・・・あれ???????? リバースギア時の”ポーン、ポーン”と言う警告音にあわせ カメラとナビが切り替わってしまう・・・・・\(◎o◎)/ 確かに、ドイツ車(VWゴルフ5系はほぼ全車、BMWは1部車種)の場合、 リバース電源が安定せずに、カメラ画像が切り替わってしまう事は良くあり、 この場合は電源安定化リレーを入れればOKなのだが、 今回は安定した信号を取る為のCAN-BUSアダプターを入れているのだ。 切り替わる筈が無い(>_<) しかし・・・・こちらもきちっと検証すると、確実に信号がオンオフしている・・・・・ 電圧が低いとか、パルス波出力だとかいう問題では無く、 CAN-BUSアダプターから出ている信号は完璧に12V−0Vを数十秒ごとに繰り返している・・・・・ あぁ・・・やっぱこの汎用アダプター・・・この車種対応してないんじゃないの??・・・・ と思いつつ、悔しいのでさらにもう一度、 CAN-BUSアダプターの説明書&対応車種&接続状態を確認して見るがやはり問題無し・・・・・ で・・・・ 普通ならここでさっさと頭を切り替えて、 いつもやっているように車両側からバック信号を直接取れば良いだけの話。 特に施工例・資料が無い車両のバック信号位置(それも極力ナビに近くて取り出しやすいところ)を 探すのは僕の最も得意とするところで、5分もあればほぼ一発で見つけられる事が多い。 これについては工場長も 「専務はバック信号探すのは本当に早い&一発であてますよねぇ〜〜”と感心するほどで 自分でもこれに関してだけは勘&運?が良いと思う。 が・・・・ここで僕の貧乏性・・・・と言うか悪い癖が出る。 バック信号を引き直せば簡単だが、ACCも引き直すことになっているので、 せっかくの高価なCAN-BUSアダプターで使うのは車速信号のみ。これはなんか勿体ない・・・・・ 一応、バックギアには反応しているのだから、 なんとかこのCAN-BUSから出ているバック信号(オンオフあり・・・)を使用できないか?? と・・・全く意味の無い?思考ループに入ってしまったのだ(>_<) で・・・その後、電解コンデンサ入れて信号出力を保持できないか?等々、 いらん作業&検証を繰りかえし・・・費やした時間は1時間強・・・・・・・ そこでやっと諦めて普通にバック信号を引き直すことに・・・・・ 最初っからそうすれば、もうとっくに終わっていただろうに・・・・・・まさにアホの象徴です。。。。 気分を切り替えて、バック信号取り出し作業へ。 これは↑にも書いた通り、いつもなら5分もかからない作業。 通常、バック信号の取りだしは慣れた車種なら VW・ポルシェ・BMW・ベンツ等は配線色、プジョー・シトロエン等なら配線番号でフロント周り (ジャンクションボックス等、確実&探しやすいのはキックパネル内の後方から来るメインハーネス内)で それっぽい線を探し、見つけたらテスターをあててバックギアに入れて12Vがオンになるのを確認します。 (この作業が僕は早いのです。) ただ、配線色等は年式・仕様により異なる場合もあるので、 施工例&資料無しの今回のような場合は以下の手順で探して取り出します。 (DIY派の方の御参考に・・・) 1.バックギアに入れて点灯するバックランプを確認、 その裏でバックランプのプラス側の配線色もしくは配線番号を確認。 *バックランプはコンビネーションになっている事が多く、 他にブレーキ・テール・ポジション・ウインカー・アース(共通)等の配線がありますから 必ずテスターを使いバックギアに入れた時に12V(電源電圧)がかかり、 他のギアの時は0Vになる線を確認してください。 *車種によっては12Vではなく3〜5Vの場合もあるので、 検電テスターよりもサーキットテスターでの計測が望ましいです。 *1部アメ車の場合、バック信号がアース制御になっている場合があります。この場合は話は別になります。 2.ランプ部からの配線がそのままメインハーネスに入っているかどうかを確認。 一部車種では中継コネクターを介し、そこで配線色が変わっている場合があるので、 その場合は、コネクター後のメインハーネスに入る配線色を確認します。 3.フロント周りでメインハーネスを探し、その中もしくはその接続先のジャンクショボックス等の中から、 1.2.で確認した配線と同じものを探し、見つけたらテスターをあて、 バックギア時に電源電圧が来る事を確認します。 あとはそこから分岐すればOK!! *メインハーネスはキックパネル部やサイドステップ(スカッフプレート)部で探すとわかりやすいです。 *一部車種ではバック信号電源は途中でライトコントロールユニット等に入ってしまい、 その先はCAN-BUSで単体取り出し不可になっている場合があります。 この場合は、最後に確認できる位置からひっぱって来るしかしかありません。 例えばベンツCクラス(203)等はリアトランク部、ポルシェはフロントシート下より前の室内部では取れません。 この作業をやる場合、基本的には2人でやるのが早い&普通。 1人が運転席に座りバックギアに入れる・抜くを繰り返し、 もう一人がテスターを持ってバックランプ部・中継点・フロント周りと移動しながら確認するのです。 が・・・! この日の最大の問題&失敗は、この時点で会社には僕しか残っていなかった& CAN-BUSを使うので信号確認の必要は無しとしてしまった為、 最初に(他の人がいるうちに)信号確認をしなかった事、 その為、通常なら5分で終わった仕事にこの後1時間強の時間を使う事になってしまったのです・・・(涙 まぁ、過去にも1人でバック信号探しは何度もやってるので深く考えずに?バック線探しを開始。 1人でやる場合は、 エンジンをかけずにキーをイグニッション位置にして、バックギアに入れてバックランプを点灯、 そのまま後ろに回ってテスターで確認、確認したらギアを戻して再びテスターで確認・・・でOK。 が、このお車ではこれに問題が!! 上記の通り、まずは運転席に座りブレーキを踏まずにプッシュスタートスイッチを押し、 エンジンをかけずにイグニッション状態。 ここでギアをリバースに・・・・・・・・は・・・入らん!!!! ああ・・・そうなんです・・・最近の車はプリウスなんかもそうですが、この車も、 シフトレバーがロッドやワイヤーで直接ミッションを操作している訳では無く、電子制御。 シフトレバーはスイッチの役割だけで、エンジンがかかっていないとリバースに入ってくれないのです・・・・・ こりゃ参った・・・・・・ 仕方が無いので超危険な裏技・・・じゃなくて力技・・・・いや・・・ 技と言うより過去にやったことは無いので試しにですが・・・・ エンジンをかけてリバースに入れ、サイドブレーキを思いっきり引いた状態でイケるかどうか? (もちろん、その他色々な安全確認・対策をした上で) 試しにやってみるか?と思い、リバース入れたままサイドブレーキを目一杯引くと・・・・ ありゃりゃ・・・・ サイドブレーキを引き上げるとともに、強制的にリバースが解除されパーキングモードに・・・・・(*_*) すっげ〜〜〜最近の車はこんな安全対策もしてあるんだ・・・・・と感心しつつも、手詰まり・・・・ まぁ、いっか・・・・コンビネーションランプ部見ればどれがバックランプかはわかるし、 音の出るテスターセットしといて確認すれば・・・・・・ が・・・ここからは僕の大ボケが始ったのです・・・・・ |
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ハイ・・・・もうネタ&オチはわかりますよね・・・(^_^;)
実際のバックランプは黄丸のバックドア部です。 それを僕が大ボケして・・・・ まずは後ろに回ってバックドアを開けて コンビネーションランプ部を確認。 で、写真の青丸部がバックランプだな・・・・と勝手に思い込み その線を様々な方法でテスターあてるも 当然の事ながら確認できず・・・・ 青丸部はバックランプではないのだから、何をどうしようが確認出来る訳も無いのに、 ”なんか特殊な制御方式なのか?でもどう見たって普通の配線に見えるが・・・”と要らぬ苦労を延々と・・ そして ”参ったなぁ〜〜しょうがないから工場長か家内にメールしてちょっと来てもらうか・・・ でもこんな簡単な作業のみで来てもらうの悪いし・・・” と悩みつつ、何気なくバックドアを閉じた瞬間、目の前に出てきた正しいバックランプに気づき、 自分のアホさ加減に絶句と言うか悶絶・・・・・・・・ こんなのちゃんと全部見てれば一発でわかるじゃん・・・・・・OTL・・・・ そこからはいつも通り?5分でフロント側のバックランプ線を探し当てましたが・・・・・・ 結局、2時間で取付まで行きながら、 バックランプ線引き直しに同じ程度の時間を費やす、 (それも大ボケしなければ5分で終わっていた作業)と言う大間抜けな取付になったのでありました。 まぁ、すべて自業自得ですが・・・・・ と・・・今回も?最後は僕のアホ話になってしまったようですが 今回の話のオチ・・と言うか、言いたかった事は CAN-BUSは落とし穴がある場合もあるので必ず本組み前に確認を・・・・って事と、 DIY派の方の為のバックランプ電源の探し方のお話でした。 |
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