2007年6月 物には程度が・・ 叩けば治る?? スターター編 | ||
2006年7月の修理日記「セカンドオピニオン」の中で少しご紹介した 電気製品が不調の時の必殺技?「叩けば治る」の余談。 電装店でこれをよくやるのはエアコンの風が出ないとき。 と言っても風が弱い(エバポレーターやフィルターの詰まりが多い)や 風量切替スイッチの1部で風が出ない(レジスターの不調が多い)等ではなく 全くブロワモーターが回らない時。(それも走行距離が長い車の場合) この場合、まずはモーター部への電源確認をするのが常識なのですが その前にとりあえずモーター部を軽く叩いてみる。 するとあら不思議?!ブーンとモーターが回りだすことが多々ある。 これはブロワモーターのブラシが短くなり接触不良を起こしている場合に 衝撃によってブラシが少し動いて接触が良くなりまわりだすのだ。 ただし、根本的な問題は解決していない&消耗部品の寿命なので一時的に回るにすぎないので この場合は必ずモーター交換。ただ、故障原因の切り分けとしては簡単かつ安上がりに出来る。 もうひとつの代表例はエンジンスターターが回らない時。 (*点検してスタータ部にスイッチ信号・電源及びアースがしっかり来ているのに スターターが回らない時のみ) この場合も軽く叩いてやると回りだすことがあり結構有効。 (ただし、素人さんは真似しないで!!エンジンが回りだすし充分知識を持ってやらないと危険です!) これはマグネットスイッチの接点部のあたりが悪かったり、ブラシの接触が悪い場合に 上記ブロワモーターと同じ原理で動き出すことがあるのです。 で、ブロワモーターは動かなくても走行は出来るが スターターが回らないと走行できないので 電装屋よりも整備屋さんで応急処置としてこの手法はよく使われるようだ。 さて先日、何時も行っている整備やさんに御用聞き営業で定期訪問すると スターターの修理品が出ていた。「お〜今日はこれ一個か・・」と 手にとって車に積み込んでよく見ると・・・・ ありゃりゃりゃ・・・スターター本体に無数の叩いた傷が・・・ それも尋常な数&強さではない・・・・・ あの・・確かに叩けば治る(1時的に復活する)ことも ありますし・・・多分、路上で動かなくなっちゃって どうしてもスターター回したかったんだろうって 気持ちはわかりますけど・・・・・ 物には程度ってモンがあります。。。。。。 傷になるほど強く叩くこと自体無謀だし、 それもこんなに一杯叩いたら 悪く無いとこまで壊れます。。。。。。。。 実際、このスターター叩きすぎて内部のフェライト磁石が割れてしまっており全損、 OH不可で全交換となりました・・・・ *近年のP型スターター(遊星ギアを使用した小型スターター)では フェライト磁石を使っていることが多く、叩くとこれが割れちゃいますんで安易に叩いちゃいけません 今回のオチは当然のごとく、物には程度があるってことで・・・・・ |
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