2006年4月〜 カーナビ取付事例番外編 その八後日談 パルス発生器検証 | ||
HP上、カーナビ取付事例やこの修理日記に記事をアップすると 翌月にはその車種の問い合わせが一気に多くなることが良くある。 最近ではプリウスの記事、純正オーディオ+社外AVナビの御依頼等が多い部類に入るが もっとも反響が多かったのは2006年2月のゴルフカブリオの車速編。 この記事アップ後、「前からナビをつけたかったが車速が取れないからと言われ諦めていた」 と言うゴルフオーナーの方が殺到しこの取付に追われる日々が続いた。 ちなみに、実際に御依頼頂いたお車の殆どは普通にオーディオ裏から車速が取れるタイプだった。 「なんで車速が取れないって言われたんだろ??」と思いつつ・・・・ が、そんな中の1台、車速が取れずに その後1ヶ月以上もお客様にご迷惑をかけることとなってしまった事例が・・・・。 そのお車は4月某日、87年式ゴルフ2にイクリプスAVN075HDお取付で入庫となった。 まずは車速の確認、 お〜〜やっぱりこれも普通にオーディオ裏カプラーに車速信号線が来ている。これなら問題なし! とそそくさと作業。この頃にはピラー内部の配線処理も手馴れたもので早々に取付完了。 で、動作確認してみると・・・・あれ??車速信号が取れていない??何故??? まさか配線が抜けた?それともナビ本体不良??などと思いつつバラシテ確認すると 接続には問題は無い。まさか・・と思いつつテスターで車両側信号線を確認してみると あちゃ〜〜〜パルス出て無いじゃん!!何故?? と今度はオーディオ裏の車速信号線を追っていく・・ まさか途中で断線??・・・・が・・・そんなことも無くキッチリメーター裏まで繋がっている。 そこで今度はメーター裏を見てみると・・・ガビ〜〜〜ン!! このお車のメーターには車速センサー自体がついていない!!!これはどうしようもない・・・・・ 仕方なく、当社初体験・パルス発生器なるものを取付。 これ、同業者等からの話で「車によっては上手く作動しないこともある」と聞いていたのと タイヤを磁化して使用するため後々メンテナンスが必要と言うことで 当社では極力使用を控えていた代物だ。 しかし、背に腹はかえられず泣く泣く取付けて作動確認。 おっ??思ったよりキッチリパルスが出ている。これはなかなか優れものか?? もしかして食わず嫌いだったか??などと思いつつ実際に走らせて見ると ナビ上の自車位置の進み方は実際よりかなり遅いがキチンと進んでいる。 パルス発生器のパルス数はタイヤ1回転で1パルス。 現在の一般的な車両のパルス数は4パルス・8パルスが主流、車によっては32や それ以上のものも多数あるので現時点で自車位置の進みが遅いのは仕方ない&問題ない。 学習が進めば補正されてきちんとした位置になるだろう。 と、お客様にも説明し無事お引渡し完了。パルス発生器様様だな・・・とこの日は思ったのだが・・ お取付から2週間後、このお車のお客様よりご連絡があり、 「パルス発生器が上手く作動していないようなので取付位置を変えて欲しい」とのこと、 確かに最初の取付位置には近くに配線束があり僕もこれは気になっていたが テストでは問題なさそうだったのでそのままだったのだが・・・とりあえずこれを手直し。 しかし、その1週間後、「やはり自車位置が合わなくて使い物にならない」とお客様からご連絡。 う〜〜ん・・・やはりパルス発生器はダメなのか??と悩みつつ 試験的にパナのDVDナビを同時搭載し検証してみることに・・・ ちなみに車速信号をナビがどう認識しているかについては イクリプスのナビだとナビ画面上で「車速 あり(なし)」しか確認できないが パナのナビは発生しているパルス数までキッチリ出るので確認がしやすい。 又、車速信号には車によりデジタル・アナログ・パルス数・パルスの出力電圧等が違うが パナナビは他社のナビでは認識できないアナログ信号やパルス数が異常に多い場合、 パルス出力が極端に低い車両でも認識すると言うこの点では非常に優れものである。 又、自車位置補正に関してもカロナビと並んで非常に優秀で学習速度も早い。 検証では運転しながら2つのナビをモニターするのは非常に危険なので 工場長に同乗してもらい環7・青梅街道をひたすら走る。 パナナビ画面で見るとパルス発生器からのパルスは速度にあわせてキチンと出ているようだが やはり最初は自車位置が大きく遅れる。が、GPSによる位置補正を数回行うと ほぼ正しい位置を示すようになった。しかしイクリの方は相変わらず・・・ 更にイクリの方はGPSによる補正回数がパナに比べ圧倒的に少ない。 これはイクリが付属のフィルムアンテナGPSなのに対し、 パナはGPSアンテナをルーフ上に出しているので仕方ないところか・・・ しかしこの補正回数では学習するには100年くらいかかってしまいそうだ・・・・ とりあえずパルス発生器のパルス(1回転1パルス)がイクリナビの学習可能範囲から 外れているのかもしれないと思い、取付説明書には反するが タイヤの磁化を4分割(1回転2パルスでる)、8分割(1回転4パルス)と変えてみて検証。 すると今度は自車位置の遅れもかなり無くなりしばらくの走行で学習レベルも1段階だけ上がった。 が、8分割にするとパルスの認識がパナナビのモニターでも不安定になっている。 勿論パナナビの方は補正によって正しい自車位置をキープしてはいるが・・・ この日は時間の都合でとりあえずパナナビを外し8分割の状態で様子を見ていただくことに・・・ 更に1週間後、お客様からご連絡。 「以前よりは良くなったがやはりずれて使い物にならない。学習レベルも上がっていない」との事。 今度はお客様にお車お預かりと長距離試乗の許可を頂き再検証。 GPS補正率を高める為、オプションのGPSアンテナをルーフ上に設置、 念の為、ナビ本体もテスト機に変えて長距離試乗を実施。 今度はGPS補正が頻繁にかかるようになる。おおっ!これはいけるか!!?? と期待するも何度も何度も補正はかかるが学習は一向に進まず 自車位置は常に100mほど遅れた状態・・・・これではダメだ・・・・・使い物にならん・・・ 当然、再度平行搭載したパナナビはキッチリ自車位置をキープしている。 一晩都内を走り回り、最後は相模湖まで往復し、ついにパルス発生器に見切りを付ける。 このお車&ナビにパルス発生器使用の場合、 取説通りの1パルスでは遅すぎ、掟破りの4パルスではパルスが不安定、 どちらでも学習範囲外であると結論付けたのである。oTL とはいえ、このままナビが使い物にならないのではお話にならない& 車速が取れないままでは取付けたことにならないので選択した手段は・・・・ パルス発生器より確実にパルスが取れ、後々のメンテナンスも要らない車速センサーの取付。 この技はワイヤーケーブルタイプのスピードメーターの場合のみ可能で メーターケーブルの途中にスピードセンサーを取り付ける方法。 パルス出力も当然安定しており1回転で8パルス出るのでこれならどのナビでも認識する。 このセンサーの販売及び、ケーブル加工は 永井電子機器(株)さんで行っていましたが 現在はサービス終了しているようです この取付後、再び長期試乗の旅に出るが前回の半分ほど走行したところで 自車位置の狂いは殆どなくなり学習レベルも補正完了の一歩手前まで一気に上がり・・・ やっと普通のナビと同じ作動になりました。ふぅ〜〜〜長い道のりだった・・・・・ 当社の数多いナビ取付の歴史?の中、初めて使用したパルス発生器ですが なんとなく2度と使わないような気がしている今日この頃です・・・・ 今回のお客様には何度も足を運んで頂く結果となり大変心苦しく、 又、申し訳なかったと思います。 嫌な顔もせず最後までお付き合い頂き本当にありがとう御座いました。 この場を借りて再度御礼申し上げます。 |
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